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……だから、クラスの全員が放課後、青野が職員室から戻ってくるのを待っていた。
というか、ホントはみんなバイトや用事なんかなかったんだよな。
……俺もなかったし。
「遅っせーな、青野。
すぐ戻って来るって言っておきながらよー」
机を寄せてウノをやっていた連中がそうぼやくのが聞こえた。
「ウノもそろそろ飽きたしな」
「帰っちまうか?」
そろそろ言い出すやつがいると思ってた俺は、携帯を閉じると振り返った。
「ばーか、こんな時間まで待ったんだぞ。
もうちょい待とうぜ」
そう言うと、みんな「ま、いいけどさ」と肩をすくめた。
「じゃーもう一戦と行くか」
中村が腕まくりをしながらカードを集める。
「今度は金かけてやろーぜ」
山根が得意そうに言う。
「金欠だっつーの」
「はいはい、来週バイト代入るんだろ。
だぁいじょーぶ、ツケにしてやる」
「あ、こいつ勝った気でいやがる」
「たかが2連勝した位で」
「1勝もしてないお前よりはマシだろ」
「ムッカつく!」
「ぜってー勝つッ!」
「勝てるもんならな~」
山根たちがそう言って鼻息荒く腕まくりをした時、俺の席の近くにいた女子連中が言い出した。
「ねえ、なんか私のケータイ電波悪いんだけど」
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