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シーナ
「はぁ…はぁ…。」
日が上って間もない霧に覆われた森の道を、長くのばした赤い髪を大きく揺らしながら、シーナは一人ジョギングしていた。
シーナの走るルートは、蟻の巣をぐるっと一周回るルートで、距離で言えばおおよそ2.3㎞あるかないかぐらいだろう。
それをシーナは毎朝二週ぐらい走っていた。
シーナ
「…はぁ…はぁ…。」
そして、それは今日も変わらず行われシーナは軽く走り終わると、腰に結び付けといたタオルで汗を拭き。
そのままの足で調理場まで歩いていった。
シーナ
「さて…今日の朝飯はどうしたものか…。」
「なんや?今日の料理当番はシーナはんやったか?」
シーナが調理場で料理の支度をしていると、後ろから方言混じりの女性の声が聞こえてきた。
シーナ
「…なんかようか?カナリア…。」
カナリア
「べっつに~アタイはただ喉が渇いたから水を飲みにきただけやで?」
シーナ
「…じゃあさっさと飲みな。」
コンッ
シーナはそう冷たい口調でカナリアに答えると、机の上に水の入ったコップを置き、そして直ぐに調理に戻っていた。
カナリア
「相変わらず、他人に冷たいの~。」
カナリアはそう言いながら机に置かれた水を飲み干していた。
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