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カナリア
「ほな朝ごはん楽しみにしてまっせ~♪」
出された水を飲み終わると、空いたコップを洗い場に置き調理しているシーナに一言声をかけると、カナリアはぷらぷらと部屋を出ていった。
すると、それと入れ代わるように一人の少年が調理場へ入って来たのである。
「シーナ姉ちゃんがカナリアと話しをするなんて珍しいね?」
シーナ
「あいつが一人で話してただけさ…それより、ずいぶんと早起きじゃないか?“寝ぼ助トウラ”が珍しい。」
シーナはそうからかうようにトウラの緑色の髪を、わしわしと粗く撫でると、カナリアの時とは違く優しい笑みを見せた。
一方、シーナにからかわられあんまりいい気はしないトウラは、つんと口を尖らせすねた顔をしていた。
トウラ
「うるさいなぁ~!オイラだってたまには早起きぐらいするよ!!」
シーナ
「ふっ、どーだかね?」
トウラ
「ちぇ~シーナ姉ちゃんはいつもオイラを子供扱いすんだから嫌んなるよ。」
シーナ
「そーやって直ぐにすねるから子供なんだよっと!」
すねるトウラの頭にシーナは顔を乗せて、そのままトウラを抱き抱えた。
トウラ
「わわわっ!?なっ何すんだよ!?」
シーナ
「家族のコミュニケーションだよ♪」
トウラ
「は、恥ずかしいから下ろしてくれよ~!」
シーナ
「いいから、いいから♪」
その後シーナはトウラを片手で抱きながら、今朝の朝食を作っていた。
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