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トウラ
「はぁ…はぁ…はぁ…」
シーナ
「何のんきに歩いてんのさ?ほら、さくさく歩く!」
トウラ
「んな事言ったって、休まず歩いてればさすがのオイラも疲れるよ…ねえ、少し休もうよシーナ姉ちゃん!」
そう言うより先に、トウラはその場に座り込みぜえぜえと息を粗くはいていた。
それを見たシーナは、『しかたないな』と少し苦笑いを浮かべ何時間ぶりの休憩をとる事にしたのだ。
トウラ
「ゴクッ…ゴクッ…ぷはーーっ!生き返ったーっ!」
シーナ
「あんまり一気に飲むんじゃないよ?目的地まではまだ大分距離があるんだからね?」
水を勢いよく飲み干すトウラに、シーナは先の事を考え注意を促した。
それに対しトウラは『分かってますって♪』と、陽気に答えたのだ。
シーナ
「まったく…それ飲んで後5分休んだら出発するよ?今日までに山は越えなくちゃならないからね。」
トウラ
「5分?せめて10分に…」
シーナ
「口答えするんじゃないよ!5分休めるだけありがたいとおもいな!」
トウラ
「…ケチんぼ!」
シーナ
「なんか言った?」
トウラ
「いっ!いえ何も言ってないです!!」
シーナ
「ふんっ!」
こんなやり取りを休憩の間二人は繰り返し、そしてまた歩き始めたのである。
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