アナザーエピソード1:赤髪の女

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そろそろ太陽は空の中央に上り。時間で言えば丁度昼になるだろう。 気付けばトウラは片手に杖がわりの木の棒を携え。息を大きく乱しながら、自分より五メートルぐらい離れたシーナに『ね、姉ちゃ~ん。そろそろ昼飯にしようよ~!』と、もう何回目になるか解らない愚痴をこぼしていた。 そんなトウラの愚痴を歩きながら聞いていたシーナは、青くすみわたる空を見上げながら返事もせず。ただ黙って聞いていた。…それがさっきまでの状態。 今はシーナは火をおこし。 トウラは木陰でバテていた。 シーナ 「トウラ~ちょっと手伝って~!」 しかし、その声にトウラが返事をする事はなかった。 シーナがちらっとトウラがいる方を覗くと、トウラはスースーと寝息をたてて眠っていた。 フッ、シーナは眠るトウラの頭を優しく撫でながら、大きめのタオルをトウラにかけてあげた。 トウラ 「うぅーん…母ちゃん。」 ビクッ! タオルをかけるシーナの指がビクリと震えた。 『お母さん…か。』そう呟き、今朝見た夢を思い出していた。 暗い世界に一人泣きじゃくる小さな少女。 それを近くで冷めた眼差しで見つめる自分。 何度同じ夢を見たかすらもう忘れた。
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