愚か者

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「ありがとう…ございました……」 暗闇より、蒼白いたえさんが現れました。 「この身体が御所望だったのですよね?」 首と胴が離れたたえさんの身体を差し出した。 「そう…です…この、私の身体……」 たえさんは震える手で脱け殻になった自分の身体を擦ります。 「さぁ、行きましょう」 たえさんと共に、たえさんの身体を埋葬しに歩き出しました。 「やっと…やっと私は埋められるのですね……」 「そうですよ。その前に…お代を頂きます……」 たえさんの溶けかかった目玉をくり貫いた。 一つ…二つ…… そして、既に止まって時間の経った心の臓…… 「そんなモノで良いのですか?」 「ええ。構いません」 ソレらを袋に入れて懐にしまいます。 たえさんの身体を私が店を構えた空地に埋めた。 「経はどうされますか?」 「結構です…何から何までありがとうございました」 「願いは叶うのですよ」 「そうですね……」 そう言ってたえさんは消えてしまいました。 自分の亡骸を何時までも捨て措かれた哀れな女…… 自分の愛する妻を手にかけた事すら忘れてしまった愚かな男…… お似合いですね…… さて、私は次の街にでも行きますかね……
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