迷いの滴

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長からの手紙にはあってはならない事が書いてあった。 初代、土倉を名乗った今は亡きご先祖が封印したと言う山ノ面。 それを封じた封印が解け、山ノ面が再び現れた兆しがあると…… 調査してもし山ノ面が復活しているのであれば、再び封印するか、倒せと書かれていた。 山ノ面は初代土倉屋が七日七晩戦ってやっとの思いで封印した最強最悪の山の怪物。 初代はその戦いで負った傷と疲労の為に死んだと土龍から聞いていた。 土龍は初代から俺までの土倉屋を名乗った全員を覚えている。 その中でも初代は一番強かったと土龍は言った。 俺が一番じゃねぇってのが気に入らなかったが、だからって初代が死ぬ理由を作った相手と戦う羽目になるなんてな…… ホント、運がねぇよ…… コレは俺、と言うより土龍と山ノ面の因縁か? 山ノ面の野郎はきっと俺の内にいる土龍を怨んでんだろう。 土龍は土龍で此処に山ノ面を封印した事すら忘れてたみたいだがな。 俺一人でどうにかなる相手じゃねぇよ…… だからと言って缶詰屋に頼るのもな…… 仲良くしようとか考えたが、やはり苦手なもんは苦手だ。 どうにかしねぇといけねぇよな…… 缶詰屋をチラリと見ると長からの手紙を顔色一つ変えずに読んでいた。 書かれてる内容は同じなのか? 手助けを頼もうか? それとも自力でどうにかするか……
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