One――

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「――――?」 時計を見ると8時半だった。 …また遅刻か。 最近日常茶飯事なんだよな、これが。 一度は起き上がってみるものの、また反対側に倒れ込む。 ――あの、旅人。 どこかで―― 私は毎日夢を見る。 夢の中は大変だ。 日常の出来事をフラッシュバックしたのが夢だなんて、誰が言ったんだろう。 とにかく夢の世界が濃すぎて、現実に戻れないこともしばしば。 小さい頃でも毎晩夢を見るなんてことは無かった。 …夢遊、病?…夢遊病ってそんな症状あったかな? 俯せていると、またうつらうつら。 ほんやり、旅人が私に微笑んでいる。 『僕は、旅をするのが好きなんです。』
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