戻らぬ時間

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「出血がひど過ぎて… 今日が峠だそうだ…」   くずれるように泣く優子の母親の隣で、父親が俺にそう言った。     俺はその場で、声を殺して泣いた。     俺はきっと この世で一番の薄情者だ       俺は自分を憎み、 戻らない時間を、ただ悔やむしかなかった――…    
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