戻らぬ時間

2/6
前へ
/51ページ
次へ
「あの…優子は… 優子は!?」   優子の母親からの電話で、かけつけた病院。   親族が集まる集中治療室前は、シンと静まりかえり、俺の声がやけに響いた。   それが俺の焦りをさらにかきたて、不安が頂点に達し、心臓の音がやたらうるさく聞こえた。       「…ッ優子は大丈夫なんですか!?」   俺は、暗い表情をうかべている優子の両親に言い寄る。   すると、近くにいる親族が両親をかばうように口を開いた――    
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加