温雪

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オッサン 「人と違うトコ気にしたってお前はお前だよ? 違うのは当然さね… 欠点を決めるのは自分だぜ? ただ、それを恥ずかしがるのは欠点にじゃなくてお前さんに問題があるんじゃねぇの? 一人一人違うから世の中面白いって思わねぇかぃ?」 オッサン 「お前さんの気にしてるトコは世界に一つしかないお前さんだけのピカピカの個性だよ?」 俺「…はっ…、トナカイだけどな」笑 俺とオッサンは一緒に赤ラークを吸いながら 道の真ん中で大笑いした… あんなに笑ったのは久しぶりだったと思う… 何があんなに可笑しかったのかは分からない… だけど俺は道行く人の目なんか気にせず笑えた… 赤鼻の視線なんか気にならなかった… ただただ、この赤服の可笑しなオッサンと大声で笑った 気付くと空から雪が降り始めていた… 俺の涙を隠すように… 人生の傷をそっと埋めてくれるかのように… ――――それは… とても温かく… 優しい優しい雪だったんだ…
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