温雪

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そんな自暴自棄に陥っていた俺… そんな俺にも出会いはあった… あれは雪の降り始めた肌寒い季節… 鼻の赤くない両親から出かけていると携帯に留守電が入っていた 鼻の赤い俺はバイト帰り… 今日もまた風邪でもないのに、しっかりマスクを付けていた あれは、家にもうすぐ着くか着かないか位のところだった ただならぬ視線を感じた… 俺は恐る恐る感じる視線の先に目をやる… そこには… この寒空の下、 道路の真ん中に綺麗に体育座りをしているオッサンいた 俺は目を疑った いや…間違いではないようだ 確かに道の真ん中で冷風に吹かれたオッサンがいる しかもだ… 俺をこれでもかと言う位、ガンミしている …めっちゃ見てる …めっちゃ目ぇ合っちゃってる しかもこのオッサン… この雪景色に合わない派手な赤い服だ… 純粋な小学校低学年にしか出来ないような綺麗な姿勢で体育座りをしている 俺は目を奪われた…
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