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東京から離れた田舎町
駅の周りにはスーパーやゲームセンターなどが立ち並んでいるが、少しわき道に入るとすぐ田んぼがある
コンビニも数えるほどしかなく、車も少ない
夕日に照らされているその街の一角で寄り添うカップルがいる
「…デビュー?」
「ああ…自分で作曲して、自分で作詞して、自分で歌いたいんだ」
「…そっか…」
「だから…この街を出て東京で一緒に暮らしてくれないか?」
「え?え!?」
「切符ももうあるんだ」
そういうと彼は胸ポケットから切符を二枚取り出して、彼女に見せる
「…本気?」
「ああ」
「………」
「…もし無理なら俺は、今この場で切符を破り捨てる。で、お前とこの街で暮らす」
「…考えさせて…」
「夜…駅で待ってるから」
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