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『山岸課長、どうぞお茶です……』
ドンッと
新人の女子社員が私の机の上に激しく打ち付けるかのように湯呑みを置く。
……ちょっと待て。今、指を入れてなかったか?
私も少し指が触れたぐらいでは、怒らない。しかし、その女子社員は、あろうことか指を三本もお茶の中に突っ込んでいた。
三本だぞ。三本!!明らかに故意であることは間違いない。
「あ、ああ…すまない。ありがとう」
私は、仕方なく飲むふりをした。
その女子社員は自慢の金髪ロングパーマを振り乱しながら、歩き去っていこうとした。が、しかし去り際に小さな声で呟いた。
『キモイんだよ。うすらハゲ』
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