プロローグ

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「!!?」  いや、まさか私に言った訳ではないだろう。大体、私はまだ完璧なハゲではない。キモイのは個人の見解があるから、否定はしない。  だが、髪は違う。少し薄い程度だ。つまりは……うすらハゲだ。  どうして私が、こんな嫌な思いを――陰口を叩かれなきゃいけない?  私は頭を抱えて思い悩んだ。その時 『おい、山岸君ちょっといいかね?』  頭上で聞き慣れた野太い声が私を呼ぶ。顔をあげると、髭をたくわえた七三分けヘアーの恰幅のよい狸のような男性がいた。上司の鷹林部長だ。 「はい。なんでしょうか?鷹林部長?」  私は、瞬時に姿勢を正した。 『君、最近業績が下がっているようだな……?』 「す、すみません。切瑳拓磨します」  私は、びしっと頭を下げた。その時だった。私は自分の頭部に違和感を感じた。 『頭ばかり下げても……業績はあがらんぞ?――なっ!!なんだこの光は!!?』
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