プロローグ

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 部長は眩しそうに目を覆い隠す。同時に周囲からも、ざわっと驚きの声があがる。 『山岸君……その、その頭は!!?』 「え?」  私は、自分の頭部に触れ呆然とした。  ツルンッと滑るなめらかな感触。  そこにあるはずの絶対的なものが欠けていた。 「毛が……髪の毛がない!!!!?」  そう、私の頭頂部に残っていたはずの、わずかな希望が無くなっている。しかも、まばゆいばかりの光を放っている。  私は、うなだれるようにその場にへたりと座り込んだ。足元には、わさわさと散らばる大量の髪の毛。  いったい、私に何が起きた?
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