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私は、突然の出来事に言葉を失い、放心状態となる。
その時だった。
『ぷっ……』
私の周囲にいた同僚が、堪えきれないように吹き出す。それが、きっかけだった。
『あはははははは!!』
『河童……河童課長だ――はーはっはっは』
周囲にいた全ての者が、腹を抱えて笑いだす。
先程の新人女子社員も涙を流し笑っている。
いつもは真面目な部長までもが恰幅のよい身体を震わせ笑っている。
皆、一様に私の頭を指さして笑っている。
それも、そのはず。いつもはビシッと決めたオールバックの髪は前にたらりと垂れ、後ろ髪は残り、頭のてっぺんのみが円状に綺麗に禿げている。
例えるならば、河童だ。
私は、今日河童になった。
プロローグ 完
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