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それからしばらくして、またその本屋へ行った。
あの時の事は、すっかり忘れたまま…
また目的の本を持ったまま、辺りをうろついていると…
(助けて)
「!」
また、あの声だった。
やはり、重なり合い、頭の中に響いてくる。
「っ…」
やはり頭を抱えるが、今回は少しだけ余裕があった。
声は、切実だった。
必死で助けを求めていた。
でも…
「ごめん…私には無理だ…」
私は普通の人間だ。
どうする事もできない。
会計を済ませ、外に出ると、やはり声は止んだ。
それ以来、その本屋には行っていない。
でも、時々ふと思い出す。
あれは一体、何だったのだろう…
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