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幸子の後ろ姿を見ていた良隆の顔がだらしなく崩れる。
「くぅ~、やっぱかわい~な~、幸子ちゃんは」
そう、良隆は何を隠そう幸子のことが好きなのだ。
しかも小学校一年の時から実に七年というかなり年季モノなのだ。
良隆の気持ちを知っている親友達は口を揃えて「いい加減告白したらどうなんだ」と言ってはくるが良隆はなかなかそれを行動に移せれないでいる。
一番の原因は片時も幸子のそばを離れない翔子だった。
良隆にはどうして二人が仲がいいのかよく分からなかった。いや、それは良隆以外の誰もが感じている疑問だった。
坂下翔子は誰もが羨む美人で、性格も明るくおおらかで男子はもちろんのこと女子からも好かれる人気者だ。
その人気の根源は美人だということを少しも鼻にかけない翔子の性格なんだと思われる。
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