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「今日も朝から疲れてんな~、お前」
「お~う、朝からあの坂はハンパね~。ヤスチンも一回経験してみたら~?」
ヤスチンと呼ばれた生徒はとんでもないと言いたげに肩を竦めて首を横に振る。
このヤスチン。
名前を加山康弘と言う。良隆の小学校以来の友人だ。
かれこれ七年程の付き合いになる。良隆の何でも打ち明けられる数少ない親友の一人だ。
こう言うと良隆には友人が少ないように思われるがそうではない。
良隆は性格上誰とでもすぐに打ち解けることができるため、友人はかなり多い。が、それは表面的に仲がいいというだけで内面的―悩みとか相談とか心の奥を伝える程のいわゆる『親友』という仲ではなかった。
親友と呼べる程の仲なのは康弘を含め二人しかいない。
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