プロローグ

3/4
前へ
/184ページ
次へ
「ああ、ああ、なれるよ! お前なら必ずなれるよ! 俺以上の天使に! 必ず、必ずなれる、良隆!」  青年の声はもう少年には届かない。  けれど、青年は声の限り叫ぶ。  たとえ自分の声が少年に届かないとしても、たとえ自分の声に少年が二度と答えてくれないとしても、そう叫んでないと自分が崩れそうになってしまう。  もう二度と前を向いて歩いていけそうになくなってしまう。そんな気がしたのだ。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加