プロローグ

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 しかしそうなってしまってはいけなかった。  まだ青年にはやらなくてはいけないことが残っていた。  もう目の前にはいない、自分に笑いかけてはこない、自分の言ったことに怒ってはくれない、もう一緒には歩いていってはくれない少年との最期に交わした約束。 『俺のことみんなに語り継いでってよ。大好きな人を守るために消えてった馬鹿な男のことをさ』 「約束は、必ず……」  その言葉を残すと青年は背中の羽を羽ばたかせ空へと舞い上がっていった。
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