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ダイニングに入るとすでに高校に行く準備を済まして悠々とご飯を食べている兄がいた。
「あれ、兄ちゃん早いね」
「お前が遅いんだよ。もう子供じゃねーんだから毎朝毎朝母さんに起こしてもらってんじゃねーよ、お前。ホンット成長しねーな」
「うるさいなー」
良隆はちょっとムッとしながら席に着く。と母親が良隆の前に朝食を置く。
それを一気に口にかきいれると良隆は部屋に戻る。
部屋に戻ると良隆は急いでジャージから制服に着替えるとバタバタと玄関に行く。
「行ってきまーす!」
「忘れ物ないわねー?」
「な~い!」
母親の声に叫び返すと自転車に飛び乗る。
良隆の通っている中学校はちょうど高台の頂上にある。
学校までは家から自転車で三十分くらいの道のりがあるのだが、この道中で良隆が一番憂鬱になるのが学校に着く直前にある急で長い坂道だ。
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