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そのまなざしの強さは見た目からの普通さからは計ることの出来ない彼の意志の強さを示しているのだろう。
「何でもないわ」
東野の言葉にワンテンポ遅れながら答えたが、その声は平淡でおよそ感情が感じられない冷たい口調になってしまった。
彼もきっと自分のことを嫌な女だと思っているに違いないと思いながら美和は言葉を続けた。
「あなたの名前は?」
一瞬、東野の表情に驚きが広がる。
「……東野珪だよ。白鳥さんとは同じクラスなんだけど……」
これが美和にとって東野珪との初めての出会いとなった……。
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