嘘…

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嘘…

今日みたいな雨の日は、 いつも思い出す… 笑った顔が好きだったの… 寒いね… って言うと文句言いつつ、いつも自分の上着を 着せてくれた…。 少し大きいパーカーを、 上から被せてくれたよね。 私が風邪をひいた雨の日に、 バイト帰りの私を、 傘もささず駅まで迎えに来てくれた…。 道で倒れ込んだ私を おぶって、 家まで連れて 帰ってくれた。 大きな背中… 今でも忘れられない… 優しい温もり。 不器用な愛情… 大事な時だけ聞かせてくれる本当の愛の言葉… 胸にしまいきれない沢山の思い出… 泣き虫な私の 腫れた瞼も 充血した目も 流した涙も すべて優しさで包んでくれた… 君だけしかいらなかった。 だけど君は突き放すんだね… だけど君は置いて行くんだね… だけど君は忘れて行くんだね… 君は忘れるんだね… 前をみて 前だけを見て 進んでいくんだね… さよなら さよならさよなら… さようなら… 君だけ愛してた。
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