第1章

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しばらくして、金色の腕時計兼コンパスが仕事の時間が近いことを告げた。 「お、急ぐか。」 俺は仕事先へ向かった。 仕事先は次々と変わる。なぜなら俺たち死神の仕事は、人間の魂の案内。担当の人間が死に至るであろう場所はそれぞれバラバラだからだ。 コンパスが指し示す場所は大型の病院だった。大方、病気に勝てなかったんだろうなぁ。おれは手帳をパラパラとめくって担当の人間の名前を確かめた。山下春信、94歳…病気じゃなくて老衰かもな。
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