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親族がじいさんのベッドのまわりに立っていた。
「おじいちゃん、死なないで」
小さな男の子が泣いている。孫なんだろうなぁこのガキ。俺はじいさんの真上に浮遊しながら、ステッキを取出して手帳に書かれた時刻…じいさんの死亡時刻を待った。時間ぴったりにこのステッキで魂を体からすくいあげるのが俺たち死神の仕事だ。しかしこのじいさん、余程みんなに愛されてたんだなぁ…なんだか仕事なんだけど気がひける。でもこの仕事は世界にとって、そして俺にとって極めて重要な仕事だ。しっかりやらなくては。
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