第弐章†運命の出会い†

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ドリスの西地区、ジョエル一行が向かったのは大きな洋館 「アレがウチが泊まる宿だよ」 レノは洋館を指差しレイヴに言う 『何のコネがあったら、旅一座がこんな立派な洋館に泊まれるんだ?』 半ば呆然としたレイヴは呟きとも疑問の問い掛けとも取れる言葉を洩らす 「俺の所有物だ、だから心配する必要はない」 幌から顔を出したジョエルはレノに門の鍵らしき物をレノに渡す 「ちなみに質問は受け付けない。 レノ、いつもの通りでいいから、自由にしててくれ。 俺は街に出てくる。 他の奴等にレイヴの紹介頼んだ」 そう言うとジョエルはフードつきのマントを羽織り馬車を降りて路地に消えた 『あいつは、この街出身なんだな。 時折、表情を曇らせたのはそのせいか?』 レイヴはレノに問い掛ける 「………」 レノの沈黙を肯定と取ったのか“そうか”とレイヴは呟いた . . . 「レノ、ジョエルは何処に行ったんだ」 洋館の敷地に入ると別の馬車から一人の男が降りてきた 「ボイル、言わずもがな、ジョエルの行くところなんて決まっているだろう」 そうだな、とボイルは呟く 「ところでレノ、その金髪の兄さんは誰だ?」 「そうだな、ジョエルの客……とでも言えばいいのかな。 全員揃ったら紹介するよ」 そうレノが言うとボイルは自分の馬車に戻っていった 「さて!僕達も行きましょうか、荷物を降ろすの手伝ってくれるね」 いつもの穏やかな調子でレノが言った 『ああ、手伝うさ』 レイヴはそう言うとレノに背を向けて馬車から降りた。 その表情が優しそうに微笑んでいたことはレノは知らない
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