第参章†運命の出会いPART2“影に追われる少女”†

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「理由は?」 ジョエルは苛立ちを抑えながら問う 『あのお姫さまは昔から魔国のお城が大嫌いでしたし、聖国に憧れていたからな、それ絡みだと思う』 仮面を付けていても呆れているのが解るほど皮肉を込めて喋るヴァーネットを見て、同情しながらもやっかいな仕事が回ってきたとジョエルは思った 「それじゃあ、ただの家出と変わらない、俺がわざわざ出る必要があるのか?」 ジョエルははっきりとしない態度をとるヴァーネットにイラつきつつ問う 『何時もなら、うちの隠密部隊を使うのだが、運悪く全部隊出払っているし。 何よりアンチェスが関わってくる可能性がある。 だからお前に、彼女の保護を頼みたい』 声色からも冗談でないことが理解できる 「お前がそこまで言うなら全力を尽くすが、何せお前等絡みの依頼を仲間に手伝わせる訳には行かないし……」 『それなら問題ない、応援を送っておいた』 「誰を?」 ジョエルは怪訝そうな表情を浮かべる。 何せさっき隠密部隊は出せないと話したばかりである 『うちの新入りを二人ほどな』 ヴァーネットは少し気不味そうに言う 「新入り?アンチェス絡みで素人のお守りしろってか?」 ジョエルは露骨に不機嫌な態度を顕にする 『心配はないどちらも戦士としては上の上さ』 ヴァーネットは不敵に笑った。 仮面を付けているのに笑っているなどと感じるのは、とは何時もながらおかしいと感じる。 まあ、コイツだからという理由もあるのかもしれない。 そう思いながら深く溜息を吐いた
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