第零章†降り注ぐ雨†

2/2
前へ
/32ページ
次へ
降り止む気配ない雨のなか一人の男が空を見上げ立っている 「この世界でも雨は冷たいな」 男はコートに付いているフードの奥で悲しそうに目を細めながら呟いた 「どの世界も基本は変わらない、この雨が良い例さ」 もう一人の男が楽しそうに言った、その男の表情は奇妙な仮面によって窺い知ることは叶わない 「ヴァン、俺は…」 仮面の男の名を呼び男は空を見上げる 「お前は間違っちゃいない、方法はアレしかなかった」 男の言葉を遮り仮面の男は言った 「例え、どんな結果が待っていようとも護ると誓ったのだろう?」 仮面の男は諭すように男に語り掛けた 「ああ、そうだ……その結果俺が死のうとも」 空を見上げながら呟いた 「解ってるじゃないか、じゃあ私はもう行よ」 仮面の男は背を向け闇の道を開く 「捜し物が見つかれば良いな、レオン」 そう言って闇の中に消えていった 「雨…止んだな」 男はフードを取って呟いた。 雲間から降り注ぐ光に黒髪に深紅の瞳が輝いた
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加