第壱章†介入者†

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「あ、こっち向いた!」 だから、よく見えるな……。 レノはそうでかかった言葉を溜め息で押し流す 「旅人って行商人か何かかい?」 まだまだ格好までは見えないが何となく輪郭がはっきりしてきた人影をレノは目を細めて見つめる 「行商人だったら馬ぐらい借りてるだろう。 多分、旅行者か傭兵ってとこだろう」 雰囲気がそれっぽい、そう言うとジョエルは言うと馬車の奥に引っ込む 暫らくすると一座の馬車団はその旅人に追い付く。 旅人はフードの付いたマントはおり護身用と思われる剣を腰に提げていた その剣には九つの鍵穴と羽を模した紋様が彫り込んであるエンブレムが着けられていた 「旅人さん、どちらから?」 ジョエルは幌の中から上半身をだして旅人に問い掛ける 「月砂の砂漠の向こうから……」 振り向いた旅人は少し柄の悪そうだが整った顔つきで長身で金髪の男だった 「すごいな、魔国の方から来たのか」 旅人の口から出た地名にジョエルは目を丸くしながら呟く 「あちらに友人が居てな……。 アンタ等は何処まで?見た所旅一座のようだが」 「俺等かい?俺等はこの先の城壁都市ドリスまで行が、行く先が同じなら乗ってくか?」 ジョエルの問い掛けに旅人は意外そうな表情を浮かべながらも至極穏やかに答えた 「喜んで乗せていただこう」 そう言って旅人は笑った
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