第4章 未来のために…

2/14
1454人が本棚に入れています
本棚に追加
/239ページ
明るい朝の日差しが、カーテンの隙間から差し込んで、私は眩しくて腕で瞼を隠した。 「……う………ん…」 と背中の方から声が聞こえてくると、私はハッと目を開けて腕を布団の中に戻して肩をすくめると、優しく背中から抱きしめられた。 思い出した…! 私、夕べ………喬さんと。 「…おはよう」 と少しかすれた声がして、私はどんな顔をしたらいいのか分からなくて戸惑いながらも、 「お…おはよう」 と答えた。すると、さらに私を抱く腕に力をこめて、ギュッと抱きしめてくれた。 「あったかい」 優しく喬さんがそう言うと、私はなんだかホッとしたように目を閉じて、温かいぬくもりを感じた。 「うん。あったかい」 そうして、少しの間私たちはお互いの温もりを感じていた。 「今日、仕事?」 喬さんに尋ねられて、私は頭を横に振ると、 「俺は夜、仕事あるから…昼間、ちょっとドライブしようか」 と喬さんが言うと、私はなんだか嬉しくて、背中の向きをかえて喬さんを見た。温もりと同じ優しい眼差しに、ドキッとする。 「うん!」
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!