転校生

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・・・それにしても何なの? あの遠藤って転校生。 もうずいぶん長い間、何も言わずに立ち尽くしている。 そのためさっきまで物珍しそうな目で見ていたクラスメイトたちも、興味を失ったのか、 各々周りの席の者たちと雑談したり、顔を伏せて居眠りなどをし始めた。 ザワザワと次第に音が増え始める教室。 担任は明らかに困った顔をしながら遠藤と他の生徒たちを何度も交互に見ている。 頭が少し揺れるごとに、先生の皮膚から離れまいと、戦っているカツラが健気に見えてしまった。
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