転校生

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が、彼はまだ口を一文字に結んだまま俯いて立ち尽くしているので、肝心の顔が拝めていない。 私は腰を低くし、あと数センチで机と顎がくっつきそうになるくらいまで前かがみになり、奴の顔を見上げた。 視力がだいぶ悪いくせに眼鏡もコンタクトもつけてない私は、少しでもクリアな視界が欲しくて目を細める。 大きな瞳に長く艶のあるまつげ。 透き通ってる鼻筋の下には薄い唇。 そのすべてのパーツがまあ見事にコラボしている。 ほぉ、これはなかなか・・・
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