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「ドレッドのページでも言ったけど、『絶対感覚(アブソリュートセンス)』って反則だろ。普通に考えて勝てるワケ無い」
「絶対感覚って、その時の調子によって大幅に鋭さが変わるらしいわよ。例えば、長時間頭を使った後や風邪を引いてる時なんかだと、感覚が鈍るみたい」
「要するに、万全の状態なら無敵だと」
「ラフィアちゃんの身体能力を上回るしかないわね。特にスピードで。それも至難の技だけど」
「絶対感覚は戦い以外でも役に立つよな。道が解らなくても目的地に着けるし、どれだけ複雑な機械でも使えるし。とにかく、選択肢のあることなら何でも正解、あるいは自分の望む結果を選べるワケだ」
「絶対感覚にも一つだけ弱点があるのよ。絶対感覚と言えど、それは自分がその事象に対して意識を持ってるから反応できる。つまり、会話中に他者から攻撃されたり、敵がいることに気付いてすらいないと、反応のしようがないのよ。ただ、一度攻撃されたり、敵が潜んでるって気付けば、すぐに居場所は解るけどね」
「なるほど」
「ラフィアちゃん、とっても純粋な心の持ち主なのよね。なんて言うか、子供みたいな。もちろん良い意味でよ」
「ああ、同い年のお前よりもけっこう幼いところがある。出会った時のように無表情、無感情のままだったらって想像すると、ホント今のラフィアで良かったって思うよ」
「そーねー、告白もされたしねー」
「こ、告白は関係無くないか? そろそろ次に……」
「アレン、あなた、ラフィアちゃんのことどう思ってるの?」
「どうって、大切な仲間だろ」
「そうじゃなくて、アレンはラフィアちゃんが好きなの?」
「もちろん仲間として好きだ。嫌いなワケ無いさ」
「だからそうじゃなく――――」
「さあ次だ、次ぃ!」
「あっ、目を逸らすなぁ!」
【顔面アップ】
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