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「No【ⅩⅩⅣ】(クアトゥエトヴィジンティ)。私達より年上だったのね。アスタロトさんに似てる感じがするわ」
「年齢に似合わず子供っぽいってところがな。でもこいつの場合、後半は一気に大人っぽくなったけどな。こいつの神の指輪は、ザンに出会ってから手に入れたんだってさ。美術大学の一室にぽつんと置いてあったらしいけど、よく誰か他の人に持っていかれなかったなぁ」
「ねぇ、クライシスさんの働きをまとめてほしいんだけど」
「唐突だな! まあいいや。まずこいつは俺達と黒衆の両方をスパイしていた。ただ、俺達のことをスパイしていたのはアスタロトとのコンタクトを取るためで、実際にはほとんど嘘の情報を流してた。レグナムに襲撃してきたのも、『開発部に秘密の兵器がある』っていう嘘を信じ込んでのことだった。本当の目的は、クライシスが死んだことになり、以降はアスタロトと行動を共にするためだったんだ。クライシスの情報のおかげで、アスタロトは黒衆の動きを掴むことができた。ゼルドテイシスに一週間の刻限を宣告された時も、実はアスタロトのヤツ、既にその刻限を知ってたみたいだ。余裕があるワケだよ」
「二人が初めてコンタクトを取ったのはいつなの?」
「ドレッドが言ってたろ。戦いの始まる一ヶ月くらい前に、黒衆の奴らをドレッドとラフィアが発見したって。俺達がアスタロト達と出会う前の話だ。その時、たぶん偶然なんだろうけど、クライシスとアスタロトは初めて出会ったんだ」
「ザンさんを、愛する人を救うためにここまで頑張ったのね。悲しい結末に終わってしまう彼だけど、二人はずっと愛で結ばれ続けるんだろうなぁ。いいな~」
「ん、何だ? 顔に何かついてるのか?」
「……やっぱり、アレンよね」
「またかよ!」
【顔面アップ】
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