トラックとの出会い

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彼は17才。 福岡県貝島炭坑最年少の運転手記録を持つドライバーです。 彼の紹介で私は念願のトラック(ダンプ)の運転手になれたのです。 しかも 最年少記録を塗り替えて!! 浅田真央ちゃんも ハニカミ王子もビックリです。 今で言うなら悪ガキ王子の誕生です!! 採掘場から精製所までの片道2㎞位の往復で 一回\700の中坊には美味しいバイトです。 学業が終わりチャイムが鳴ると抗山に直行!1日4往復位しました😁 その時は中坊のクセにリッチでしたよ。勿論、抗内ですから免許証は必要ありません。 薪は背負ってませんが、れっきとした勤労学生です。 ですが…まだこの時点では『夢』は叶った訳ではありません。 私の「夢」は日本一大きなトラックに乗る事です。 中学卒業後 家庭の事情で上京した私は、やっとの想いで入学した都立高校を主席で中退し、さらなる「夢」の為に次の一歩を踏み出したのです。 追放された福岡に舞い戻り 地元の運送会社に整備工として就職。 トラックの構造から学んだのです。 夢の為には 努力を惜しまない努力家です。 昼間は整備工、夜はトレーラーの助手として 構造と運転技術を盗んだのでした。 その時初めて乗ったトレーラーは目からウロコでした!! 「何だ!この蛇みたいにクネクネ曲がる車は!?」 「何でバックするのにハンドルを反対に回してるんだ!?」 私の頭の中も逆回りになってました…。 その先輩ドライバーの技術も素晴らしかったのですが、何せこんなバカでかい車が 道路を走っている事に感動でした。 そのトレーラーは 特殊な物を運ぶ幅3.8㍍ 長さが可変する(16~24㍍)特大トレーラーだったのです。 私は「これだ!」と思い 寝ても覚めても妄想の中で 特大トレーラーを運転したのです。 野球選手がよくやる、シュミレーショントレーニングが これにあたると思いますが…。 私の『夢』を現実に目の当たりにした瞬間です。 ですが… ご存知の通り この化け物を動かすには 免許証が必要です。 大型免許証は20才普通車経験2年以上。 制令大型車は21才以上でなければ運転資格がないのです。 17才の私には 「夢」はまだまだ遠かったのです。image=205586708.jpg
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