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「いつか話すよ。あぁ、そういえば美奈はケータイ小説の方はどう?」
いつもとは違う明るい口調の晴海に少しの違和感を感じながらも、私は現状を伝えた。順位は少しずつ上昇してるものの一位にはほど遠い。まだ、書籍化への道のりは長いもの、のようにも見えるけど、
「私言ったじゃん? 考えがあるって。もうすぐ一位狙っていくから」
私が指を上に向けてわざとらしい嫌らしい笑みを浮かべると、晴海は頑張って、と応援をしてくれた。いつもの晴海なら溜息してから、私に対してどうのこうの言うのがいつもの晴海なのに。
幸せそうなのはいいけど、少し変な感じ。
『「おい待てよ!」
「イヤ」
後ろを付いてくるケン
アタシは知ってる
ケンが彼女と別れたコト
だから、アタシと関係を戻そうとしてる
後ろから聞こえるケンの声がうるさい
今、誰とも付き合ってナイんだろ?
やっぱりオレお前のことが忘れられなくて
お前のこと忘れた時なんて一度もないんだって
やっぱ好きなんだよ!
…また嘘だよ
またアタシをカノジョにしたいだけ
理由も何も言わず自分勝手に振ったクセに
どうせ、新しいカノジョができるまでの間ダケ
アタシは携帯の代用機なんかじゃない
ケンの欲求を満足させる道具じゃない
アタシはアタシ
もうケンと話したくもない
顔も見たくない
「つきまとわないでよ!」
「おいおい、ツれないこというなよ~」
振り向いて言うと、ケンのフヌケた顔があった
どうしてこんなオトコと付き合っていたのかわからない
こんなオトコとに、アタシは…
…クダラナイ
…イライラする
アタシはいつまでも付いてくるケンから何とか逃げた
気付いたら泣いていた
ポロポロと涙が止まらなかった』
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