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 ケータイ小説で人気になる仕組みは単純で、読んでいる人の数と、投票によるポイントの合計で、ランキングが決定するみたい。  でも、だからといって自分が自分に投票はできないみたい。私は最初そうやって一気に人気を高めようと思ったけど、『自分の作品に投票はできません』と表示され るだけだった。  だから、私はいろんなサイトにリンクを張りまくった。そうすれば、一応読んでくれる人はモチロン増えるし。  その時は、『作者』としての宣伝じゃなくて、別の誰かがオススメっていう風にするんだけどね。  作者がオススメとかしているのは痛いし、別の誰かって方が効果があると思って。  でも、その地道な人気上げから、もっと直接的なものに切り替えようと思う。  直接的ってのは、モチロン投票のポイント。私は『天使の本棚』のケータイ小説がパソコンでも読めて、パソコンからも投票できることに気付いた。それを発見した時はすっごくラッキーって思った。  これは、使えるじゃん! ってね。  私は放課後、担任に進路のコトについて調べたいと嘘を吐いて、パソコン室のキーを借りた。  私はそのまま一人でパソコン室に入って、確認する。  私の学校は一応そういう情報とか、そういうのに力を入れてるらしい。関係ないじゃん? って思ってた入学当初と今は違う。パソコン室の数は三つもあって、その三部屋のパソコンの合計は三百を超えるらしい。 その数が今はとても頼もしいじゃん?  私は心の中で、ちょっとだけ笑って、作業を始める。  『ひとつのシンジツの愛』に、投票。
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