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 五百円払わなきゃいけないけど、五百円で私が一位になるならそれでいいし、最終的に私はたくさんお金が入ってくるから、それのために五百円なんて安いものじゃん。  それに、この『はぴすと』を潰しちゃえば、また『はぴすと』に一位を奪い返されるってこともなくなるし、安心じゃん。  それに、私より先に百万円なんて許さないし。  私はケータイの画面に表示されている『はぴすと』を眺めながら私は微笑んだ。  どんなケータイ小説かは読む気もないし分からないけど、私のために落ちちゃえ。私がよければ、それでいいんだし。  私は早速『荒らし屋さん』のサイトに飛んで、詳しい内容を読み始める。『はぴすと』が書籍化決定するまであと十日。それまでにはどうにかしないとねー。   『アタシは渋センをぶらぶらと歩いてた    ウザイ    ウルサイ    まわりのすべての音がアタシをイジメてくる    今日もガッコでケンにしつこくストーカーされた    見たくもないのに    マジキモイ    しかも誰も味方になってくれない    そうだよね    ケンって少しイケメンだしね    でも、もうアタシにはあの顔をぐしゃぐしゃにしたいキモチ    顔がよくても、あんなオトコじゃあダメじゃん    どうすればいいんだろ    分かんない    誰にも聞けないし    あーあ    もう……    そんな時……      運命の時がキタ     「ねぇ、キミ一人?」   「え?」    誰?    あ、でも、結構かっこいい    背も高いし、アタシの好みに近いかも   「あのさぁ、俺ホストやってんだけど、今日暇なんだよねー。    それで、すっげかわいいこ見ちゃったから声かけてみた」   「かわいいこって私のコトデスか!!??」   「ホカに誰がいんだよ」   「え、えええ!!??」   「それで、俺と遊ばない? だめ?」    なんだろう    どきどきしてる    アタシ、すごくドキドキしてる    しかもちょっとココロにきた    アタシはもちろん   「遊ぶっっっ!」    オッケーした    テンションも上がってきた    よくわからないけど、ちょっとイイと思った   「それじゃあ、いこっか」   「うん!!!!」    それがキョウとの運命の出会いだった』
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