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「なんで? 彼氏いないんだろ?」 「だから何? 彼氏がいないからあんたと付き合わないといけないわけ? おかしいじゃん、そんなあんたの勝手なことに何でアタシが付き合わないといけないの?」  口調が激しくなる。晋也は本気でまたアタシと付き合えると思ってそうで、考えられない。どういう風に考えればまたアタシと付き合えると思えるわけ? 「いいだろ、ほら、昔みたいにな……」  すぅ、っと手をアタシの肩に回そうとしてくる晋也。アタシはその手をすぐさま払った。軽々しく触って欲しくない、キモイ。 「やめて。おかしいじゃん? なんで?」 「……なにが?」 「何でアタシとまた付き合いたいわけ? あれだけケンカしたじゃん? 忘れたとか言わせないし、いまさら何? って感じなんだけど」  アタシは晋也を睨むように見る。もう苛立ちを隠せないし、露骨にそういう雰囲気を出してく。すると、晋也もムカっと来たようで、少し表情を鈍らせて、 「……気づいたんだよ。俺は、やっぱりお前のことが好きなんだってな」  アタシはあきれた。言葉には全く気持ちが篭ってない。その台詞はたぶんアタシが喜ぶだろうと思って考えてきた言葉に違いないし、ってか少し棒読みじゃん。ありえないし、冷めるし、ってかもう晋也のことなんかどうでもいいし。関わりたくない。 「アタシは嫌い。だから、もう話しかけてこないで」 「おい……美奈?」  アタシは晋也の言葉をもう受け付けないように背を向けて、自分の席に戻ろうとする。ずかずかと教室に入り込んで付いてくる。諦めが悪すぎるし、ウザい。ありえない。嫌いって言ったじゃん。それくらいわかって欲しいし。それとも日本語分からない? 「晴海、アタシ今日もう帰るから」 「そう」  晴海は晋也の姿を見て、深い溜息をした。晴海にも晋也のことはたっぷり話したってか、聞いて貰ってた。それに、今の晋也とアタシの会話も聞こえていたと思う。晴海なら分かってくれるじゃん?
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