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「美奈、おい! 理由を教えろよ! 昔はお前だって俺のことを好きって言ってただろうが!」 「それじゃ晴海バイバイ」  アタシは荷物を取って、晋也を完全に無視して、教室の外に出ようとする。すると、肩がつかまれる。ちょっと痛いし。でも、それも無理やり引き剥がして、アタシは逃げるように昇降口へと向かった。後ろから聞こえてくる晋也の声は耳に入らなかったし、入れる気もなかった。  マジありえない。 『ホントは運命はいつも近くにあったのかもしれない    気付かなかったダケ  見ようとしていなかったダケ    でも──    やっぱり運命はやって来るんだ        アタシは結局キョウと朝まで一緒だった    そして    アタシとキョウはカレシカノジョの関係になった』  ランキング一位になった次の日、晴海は学校を休んだ。  その次の日も学校に来なかった。その次の日も。晴海は学校に全く来なかった。  メールしても電話しても返事はない。何の反応もしてくれないじゃん。どうしたんだろぅ、と思ったけど、そのうち元気になるよね、と心の中で打ち切った。  心配よりも今はケータイ小説のこととか晋也のこととかで忙しいし。でも、話はい ろいろと聞いて欲しかったんんだけど。仕方ないよね。  アタシはムカムカした気持ちを抱えたまま渋谷をぶらぶらした。  今日も晋也はアタシに付きまとってきた。だから、今日も早退してきた。もうこれで十五日くらい晋也はアタシに会いに来る。ムカつく、イラつく。  マジありえないし、ウザいし、キモいし、別れたとか好きとか、どうでもいいし。そんなのアタシ関係ないじゃん。 一回爆発した気持ちがどうにもおさまらないし。早退のついでにバイトも休むことにした。晋也の馬鹿顔が頭をちらついて集中できないじゃん。  適当にやってるバイトだけど、余計なこと考えてミスったりして店長に怒られるのはウザいし。  でも、どうすればこの気持ちを発散できるかもわからない。とりあえず歩いてるけど、行き先もないし、予定も何もない。本当に何かがあればいいなって感じ。  でも、こういうときに限ってそんなことってないじゃん? 本当に今日は運がないし。  それに──十五日経っても晴海から連絡は一切ないし。心配通り越して、何かムカつく。アタシと晴海は親友じゃん? 連絡くらいくれてもいいじゃん?
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