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「太陽さん、もっと話して話して。アタシ仕事中の翔のこともっと知りたい!」
「おい、ミナ」
翔がこっちを睨んでくるけど、アタシはそれを見てないフリをする。さっき全然アタシの視線に気付かなかったんだし、今さらだよね。それに、ずっと仕事のことも話してくれないことも悪い。だから、翔のことは無視して、太陽さんに話をねだっちゃうよ。
「っつーかさ、翔、お前ミナちゃんに仕事のことあんまり話してないのかよ~。面白い話いっぱいじゃねーか」
「うるせぇよ、俺の勝手だ」
機嫌悪そうにする翔、そんなに仕事の時の話をされたくないのかよく分からないけど、アタシは翔から視線を外す。
「太陽さん早く話してよ~」
太陽さんに言うと、太陽さんは軽く笑って、また翔のことを話し始めてくれた。翔は時々、その話はやめろ! と強めに言ってくるけど、太陽さんが無視してアタシにいっぱい翔のことを話してくれた。翔はずっと話し続ける太陽さんを見て諦めたのか、不機嫌そうにお酒をがぶがぶ飲み始めた。アタシはその拗ねてる翔 をたまに観察しながら、太陽さんの話を熱心に聞いた。
ホストって仕事だから、やっぱり翔っていろんな女の人の相手してるなぁ、って少し心配になったけど、でも翔はアタシを愛してくれるから、そういう関係は全部仕事のことって割り切って聞けた。っていうか、翔がホスト通いのモテない女の子やおばちゃんたちの相手をするわけないし。
それに太陽さんも、翔はアタシがいるから、結構仕事中でも積極的じゃなくなったって言ってた。それがすごくうれしくて、ちょっと幸せ感じちゃった。やっぱりアタシって愛されてる。
しばらく太陽さんと楽しく話してると、太陽さんもけっこうカッコいいこと気付いた。でも、翔と一緒のホストだから当たり前じゃん? って思ったけど、そうじゃなくて、すごく魅力的な感じがして、いっぱい話をしてくれて、すごく楽しかった。そうゆー風に思っちゃった。
あっという間に時間は過ぎてっちゃって、気付いたらだいぶ夜も遅くなってた。だから、翔はいつのまにか寝ちゃってたし。たぶんつまらなくなって、お酒もだいぶまわってきちゃって寝ちゃったって感じ。ってゆーか、理由は分かるけど、寝ちゃうとかあり得ないし。ちょっと不満じゃん。
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