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夕暮れ迫る鬼ヶ島では、今まさに盛大な宴が始まらんとしておりました
島で採れた農作物や、海の幸が沢山用意され
島に住む鬼たちが集まっておりました
島の長である鬼が言いました
「皆の衆、今年もこうして平和な一年で、たくさんの収穫に恵まれた。
今日は大いに飲んで、騒いで一年の労を労ってくれ」
それを聞いた鬼たちは、歓喜をあげ宴が始まったのであります
さて、鬼ヶ島に様子を見に来た漁師はどうなったかと言いますと
海岸に小舟を乗り付け、草むらの間から宴の様子を覗き見たのであります
赤鬼や青鬼、無数の鬼たちが酒を飲み騒いで居るのを見たものですから、たいそう驚きました
「ひぇぇぇ~、鬼が集まり戦いの準備をしてる。
見つかれば命は無い、これは大変な事じゃ。早く帰ってみんなに知らせねば」
腰を抜かさんばかりに驚いた漁師は、すぐさま小舟に乗ると急いで村へ逃げ帰って行ったのでございます
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