歴史

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 遠い昔、人々は罪を犯し、神によって断罪された。  その時に大きな一つの世界は幾つもの世界に分裂し、世界は空間的に上下関係で連ねられた。世界が連なり、天へと繋がる棒のようなものになったのだ。しかし、神はそれだけでは許さなかった。人々によって汚された世界を浄化せんと、戒というエネルギーを用いて世界を改変しようとした。神の使いが世界各地 で世界を浄化していったのである。  戒はエネルギーである。戒は何にでも形を変え、空間や物質を生み出したり、影響を及ぼしたり、とてつもないものであった。まさに、神の罰。もともと世界に住み神の断罪に逆らおうとした者たちは、全て戒による罰によって浄化されていった  浄化が終わった時、新しく世界は始まったと言われている。そして、神は去ったものの、人間たちが再び罪を犯さぬように人間である《ヴィヴル》《ヨウン》《リーナス》の三家に、戒による罰の下し方を伝授し、研究し、人々を監視するように命令した。後に『裁の一族』と呼ばれる存在である。    その神による世界分断から、人間たちの歴史が始まり、新しい世界での歴史が刻まれ始める。そして、歴史は繰り返しつつもゆっくりと時は進んでいく。ただ、人間は戒というエネルギーを有効活用できることを発見した。最初は、神への反逆ではないかという意見もあったが、戒はあまりにも便利すぎた。技術力 の進展や、世界全体の技術の向上を考え、『裁の一族』も戒を人間たちが使用することを良しとした。このとき、戒をエネルギーとして応用使用したものを戒律、戒を仕組んだ道具を戒式と呼ぶことになった。
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