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ふと、彼はとある事に気づき、少女の体を引っ張る。
薄汚れた民族衣装のかえはどうやら彼女は持っていなかったらしく、お風呂に入る前と全く同じ衣装を彼女は身にまとっている。
その衣装に隠れている、首の後ろを彼は注意深く見やった。
「ヘンタイですか?」
少女のその言葉を軽く無視する。
首の後ろ。
初めて見た時は、確かにここに書かれていたはずの数字が消えてなくなっていた。
「数字が消えてるんだけど」
「うん、今から書くの」
旧式の機械人形はずいぶんアナログらしい。
少女は服のポケットからペンを取り出し、慣れた手つきで自身の首の後ろに数字を書き始めた。
「アナログだなぁ」
男は思った事をそのまま口にする。
「アナログです」
少女は、何故か嬉しそうにニッコリと微笑んだ。
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