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袋いっぱいのトマトとトマトとトマトとパンを購入して、彼は店を後にする。
帰り道で、ふと目に入ってきた本屋の店頭に、彼の本が並べられている気配はなかった。
本屋の一番目立つところには、彼よりも何歳も年下のまだ学生であろう少女の書いた小説が何冊も積み重ねられていた。
近くに張られている張り紙を見てみれば、その作品は近々映画化するらしい。
堕落している、と彼は思った。
この世界は堕落しているのだ、と彼は思っていた。
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