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少女は、今発売されている最新作よりも10もバージョンが古いもので、いわゆる旧式の機械人形で。
おまけにところどころバグが発生していて、壊れていた。
直そうにも、どうすれば良いのか彼にはさっぱりわからなかったし、直す義理もないのにどうしてこの人形を家の中へと持って帰ってきてしまったのか。
目の前に、まるで死んだように眠っている、かのように横たわる少女を見ながら、彼はもう一度溜息をついた。
長く伸びた水色の髪や、白い肌。
どこかの民族衣装のような変わった服。
旧式といえど、彼女の姿はそこらに転がっている人間のそれと何ら変わりがなかった。
むしろ、今ここでこうやって生きている自分よりも彼女の方が人間らしい、と男は思う。
ぱちり、と音をたてて少女は閉じていた瞼を開いた。
まさか、何も修理してなどいないのに起きあがるとは思っていなかった彼は少しだけ慌てる。
少女は、一度室内を見渡してから、男の姿を視界にとらえると、小さく首を傾げてみせた。
ニッコリとした微笑みを、彼女はその顔に携える。
「エラー報告を送信いたしますか?」
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