一日目

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あはは、血塗れ最悪。 女子中学生みたいなモノの心臓辺りに光る棒。 これが剣だっていうのだから笑える。 女子中学生みたいなモノがズタズタなんだから笑える。 女子中学生みたいなモノが家族ってのが笑えない。 それをやったのが自分だっていうのも笑えない。 それをやらせたのが父親だっていうのも笑えない。 後ろで親父は笑ってる。笑えない。 さあ、始めようかぁ。 テレビ画面。死んだ魔王が映ってる。 ゲーム機から延びるコントローラーを握るのは僕の姉。 「うわっ。弱。最近の魔王弱。第一形態しかない。回復手段すら持ってない」へぇ。そうですか。 「どこぞの魔王様みたいに第三まで粘らないだけ勇者には優しいね。てゆーか瞬き一つで全快とかしないから優しすぎるのか」最近の勇者は優遇され過ぎだね。 「かもねぇ。どこぞの勇者も第三まで粘らなければ魔王に優しいのにねぇ」勇者が魔王に優しくする必要ないからね。魔王がする必要もないけど。 「無理無理。優しくしても意味ないからね。それに、涙ながらに愛する人に『勝って』なんて言われたら進化するのが勇者の性だからね。」あ、スタッフロール始まった。BGMクソですね。 「愛する人に二股どころか三つ股かけられててもかぁ。三人同時期に孕まされてもかぁ。健気だねぇ」胸がチクリと痛む。傷は治らない。死因の傷は治らない。 「うわー。凄い傷つく。夕飯抜きだね」てゆーか文字流れるの早。読めないですよ。 「ほお?全ての魔を統べる我に向かってそのような口を利く気か?元勇者よ」 「ほお?家事全般を引き受ける我に向かってそのような口を利く気か?元魔王よ」 「うわー。真似すんな」 「うわー。真似すんな」 「………魔眼開いていいかい?」 「聖剣抜いていいならば」不毛だなぁ。止め止め。 スタッフロールも終わったし、夕飯作るかな。もちろん二人分。
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