21人が本棚に入れています
本棚に追加
「「いただきます」」食卓越しに向かい合う魔王と勇者。食卓に上がるのは、おでん。そう、おでん。間違いなく、おでん。おでん以外の何物でもない。
「毎度のことだけどシュールな食卓だねぇ」
「同じ事思ってた」
他人が見たら普通の食卓だろう。双子の姉妹が食卓を囲ってるだけなのだから。
【前回】の登場人物が見たら目を丸くするだろう。反存在が仲良くコンニャク取り合ってるんだから。
「まぁ、どうでも良いや。てかそのコンニャク離そうかぁ。私が最初に目星を付けていたんだけどねぇ」ふふん。バカめ。
「コンニャク切る以前にか?僕はその時から目星を付けていたのだけれど」僕が食べるためにこれだけ少し大きめに切ったんだ。離すわけないだろ。
「そんな昔の話が通じるとでも?てか女が僕とか言うな」しかたないだろ。そう言うふうに育てられたんだし。【前回】でだけど。
「通じるんだよ魔王さん。僕禁止令を出すならそっちも我禁止だぞ?」
「残念だが通じないのだよ。僕僕言ってたらモテないぞぉ?愛しき人にフラれるぞ?フラれるのは顔のせいだろうがな。ブスめ」墓穴を掘ったな。阿呆め。
「僕と貴女、一卵性双生児。顔は同じ。自分で自分をブスというとは」
「なっ!?」魔王の手が弱まる。チャンスだ。
「隙ありっ!」コンニャクげっと。正義は勝つのだよ。
「な………何?私の………コンニャクっ!!競り負けたというのか!!」
「残念だったね。これは僕の物だよ。悔しかったらう」
ぴんぽーん。ぴんぽーん。
インターホンだ。つまり客。
「コンニャクを私から奪ったのだからお前が出ろ」どんな理屈?どうせ出るつもりだったから関係ないけど。
最初のコメントを投稿しよう!